今日は斎藤茂太さんが書かれた《「いい人」が損をしない人生術》という本について書きたいと思います。

人生を明るく過ごすために心がけるべきことが、詰め込まれた本です。実行に移す方法論は書かれていませんが、どれも当たり前で、なおかつよく考えると普段できていないことが盛りだくさん。方法論はなくても、心に留めるだけでも価値があると思います。

気に入ったフレーズを引用します。

ジョークは簡単に出るものではありません。たえず考えていないと気の利いたセリフは出ませんし、社会常識や教養の程度が高いほどおもしろいジョークが出るのですから、政治家にかぎらず、ユーモアのセンスがその人物評価につながるのです。

続けて、

あるアメリカの作家はつぎのようにいいます。
「人間には耐えられない侮辱がふたつある。ユーモアのセンスがないという断言と、苦労知らずだという断言だ。」

笑うというのは油断や隙を見せます。逆に言えば、人を笑わせてから言葉を発すれば、自ずとその言葉はその人の心に届くのです。相手の話を聞いて、たえず考えていないとなかなか気の利いたおもしろいジョークは言えない。要は、人の話を聞かなくては、自分の話を聞いてもらえないのです。

私はどちらかと言わなくても、「しゃべりたがり」で、相手の話をイマイチ聞いていないことも多いと実感しているので、これからは相手の言葉、仕草などの、機微を意識できるように心がけていきたいと思っております。

文体も読みやすく、心に留めるべきことがたくさん載っている本なので、是非、一度お手にとってみてください。